Morane-Saulnier

1910年9月9日、イッシー・レ・ムリノーで、モラン兄弟（レオンとロベール）が最高時速106.508kmを記録し、世界で初めて時速100kmを超えるパイロットになった。
1911年10月10日、航空界のパイオニアであるレオン・モラン、ロベール・モラン、そして幼なじみのレイモン・ソルニエ（ルイ・ブレリオの元同僚）によって、ピュトーのヴォルタ通り3番地に「モラン・ソルニエ航空会社（Société Anonyme des Aéroplanes Morane-Saulnier）」が設立された。
1912年9月、モラン・ソルニエのタイプHに乗ったジョルジュ・レガニューが、ホールゲートでブレリオXIに乗ったローラン・ギャロスから高度記録を奪い取った。モランとソールニエに声をかけられたガロスは、ペレール大通りを拠点とするこの若い会社に入社することを決めた。彼は私財を投じてレガニュの機体を購入し、チュニスに向けて出発した。1912年12月にチュニス-ローマ間を空襲し、1回の飛行で2大陸（アフリカとヨーロッパ）を結んだ最初の飛行家となる。
1913年には、マルセル・ブリンデヨンク・デ・ムリネが同型のモランでヨーロッパを一周した。この偉業の数ヵ月後には、ローラン・ギャロスが60馬力のエンジンを搭載した同型機で地中海を7時間53分で横断した。
1914年4月、レイモン・ソルニエは、プロペラ・フィールドを通して火を同期させる装置の特許を取得した。しかし、モレーン号で使用されたのはこの特許ではなく、木製のプロペラに当たった弾丸をそらすように設計された鋼鉄製の「ディフレクター」でプロペラを装甲するというソルニエのアイデアだった。ローラン・ギャロスはこのシステムを開発した後、モレーン「パラソル」L型に採用し、1915年4月に2週間で3勝を挙げた（連合国全軍の4勝目、5勝目、6勝目）。不思議なことに、これほど説得力のある結果をもたらしたシステムがフランス軍当局の支持を得られなかった。このシステムは数機のモレーンN型機に採用されただけで、主にイギリス軍（プロペラのスピンナーの形状からこの機体を「バレット」と呼んでいた）とロシア軍が使用し、彼らは非常に満足していた。フランスでは、モレーンN型は特にウジェーヌ・ジルベール（彼は自分のモレーンに「ル・ヴェンジェール」と命名した）とブロカール司令官によって使用された。ジョルジュ・ガイヌメールが初勝利を挙げたモレーンLにはこのシステムは装備されていなかったが、オブザーバーがライフル兵の役割を果たす2人乗りであった。
第二次世界大戦中、同社はドイツ占領軍のために働かなければならず、フィーゼラーFi156シュトルヒなどの航空機を生産した。解放後は、フランス軍向けにモラン・ソルニエMS.500「クリケ」の名で、異なるエンジン（アルガス直列エンジンの代わりにサムルソン星形エンジン）を搭載した、非常に機敏な航空機の生産が続けられた。これらの機体は優れた性能（短距離離陸、操縦性、良好な視界）を発揮し、インドシナ戦争、そしてアルジェリア戦争で幅広く使用された。
同社はMS.880ラリーを開発し、その原型機は1959年6月10日に初飛行した。
1950年代には、MS.406戦闘機も設計したポール＝ルネ・ゴーティエ技師の指揮の下、4人乗りの双発機MS.760パリを開発した。
1962年11月に破産を申請した後、モラン・ソルニエ社（Société d'exploitation des établissements Morane-Saulnier、SEEMS）の名でアンリ・ポテズ（Henry Potez）に引き継がれ、1965年にソカタ社（Socata、Société de construction d'avions de tourisme et d'affaires）の名でスド・アビエーション社に売却された。